こんにちは。LIVEプロダクション事業部マネージャーのYRIです。
私には昔から、「仕事をする上で、こういう人は強い」と思っていることがいくつかあります。
「愛想より愛嬌」。
「ギャル最強説」。
そして、「ジジ転がしは出世する」。
言葉だけ見るとなかなかひどいですが(笑)、別に「偉いおじさんに媚びて、気に入られて出世しよう」という話ではありません。年上の人や上司、経験豊富な先輩たち。年齢や立場が違う人とも自然に距離を縮めて、「なんかこいつ、かわいいな」「ちょっと教えてやるか」「困ってるなら助けてやるか」と思ってもらえる人っていますよね。私は昔から、こういう人は仕事でも強いと思っています。
ライブ配信やイベントの仕事は、一人ではできません。ディレクター、カメラ、音声、照明、配信、運営、施工、美術、会場スタッフ。さらにクライアントや代理店、出演者、メイク、スタイリストなど、驚くほど多くの人たちと連携しながら作り上げています。だから現場では、技術や経験と同じくらい、周りとコミュニケーションを取りながら仕事を進める力が大切だと感じます。
そして何より、周りから「この人のためならちょっと動こう」と思ってもらえる。一人で全部できる人なんて、ほとんどいません。自分にないものを誰かに借りて、逆に自分が持っているものは誰かに貸す。そうやって人との関係をつくりながら仕事ができることも、立派な能力のひとつなんじゃないかと思います。
そこで出てくるのが、私の持論、「愛想より愛嬌」です。いつもニコニコして、誰にでも感じよく接する。もちろんそれも素敵です。でも、私が仕事で強いと思うのは、もう少し人間臭い人。
完璧だから好かれるのではなく、ちょっと隙があって、人が入り込める余白がある。それが私の思う「愛嬌」です。
さらに私が勝手に唱えているのが「ギャル最強説」です。これは見た目がギャルなら仕事ができる、という話ではありません。私の思う「ギャル力」とは、こんな力です。
偉い人だからといってガチガチにならず、でも礼儀は踏み外さない。先輩に「それ、どうやるんですか?」と聞けて、教えてもらったら「すご!」とちゃんと反応できる。後輩にも壁をつくらず、自然に話しかけられる。これ、仕事をする上でめちゃくちゃ強くないですか?
そしてこうして見てみると、「愛想より愛嬌」も「ギャル最強説」もなんか似てますよね。
では、なぜ私は「ジジ転がしは出世する」と思っているのか。偉い人に気に入られたら引き上げてもらえるから?......ではありません。
人に好かれる人には、チャンスが集まってくるからです。
つまり、
人に好かれる → チャンスが増える → 経験が増える → 仕事ができるようになる
という循環があるんじゃないかと思っています。
最初から仕事ができるから人に好かれる、だけではない。人に好かれるから経験する機会が増えて、結果的に仕事ができるようになる。
もちろん、「好かれていれば評価される」という話ではありません。そこで得たチャンスをどう仕事につなげるかは、また別の話です。私が言う「出世」は、役職が上がることだけではありません。任される仕事が増えたり、人脈が広がったり、できることが増えたりすることも含めて、キャリアが広がっていく。そういう意味で、私はやっぱり「ジジ転がしは出世する」と思っています。

ここまで散々「こういう人は強い!」と言っておいてなんですが、マネージャーになってから、ちょっと考えるようになったことがあります。メンバーを見ていると、「もっと自分から動いてほしい」、「もうちょっと周りを見てほしい」、「人との関係をつくれる人になってほしい」といった、「こうなってほしい」がどうしても出てきます。でも、これってちょっと危ないな、と最近思うんです。
自分の中の「こうなってほしい」が、いつの間にか「こうあるべき」になって、さらに「そうじゃない人はダメ」になってしまう。
私が20年以上仕事をしてきて、「こうした方がうまくいく」と思っていることは、あくまで私自身が経験してきた中で見つけたものです。この文章で散々書いている「愛嬌」だって「ギャル力」だって、そう。
私は強い武器だと思っているけれど、全員が同じようになる必要はない。「こういう人になってほしい」と思うことと、「こういう人じゃなければいけない」と思うことは、似ているようで全然違います。人を育てる立場になったからこそ、そこは間違えないようにしたいと思っています。
一方で、会社には「こういうふうに仕事をしたいよね」という考え方はあります。MONSTER DIVEにも、昔からなんとなく共有されてきた「当たり前」があります。
長く一緒に働いているメンバーは、現場を経験する中で、それをなんとなく身につけてきました。いわば、「見て覚える」「察して覚える」。私自身も、たぶんそうやって覚えてきたことがたくさんあります。でも、会社が大きくなって、人が増えていけば、さすがに「察して」は無理があります。
ましてやライブの仕事は、生ものです。現場では想定外のことが普通に起きるし、すべてのケースをマニュアルにして「こうなったらこうしてください」と決めておくことなんてできません。だったら伝えるべきなのは、細かい手順だけじゃなくて、
「なぜ、私たちはそう判断するのか」
という、もっと根っこの部分なんじゃないか。
そこで今、LIVEプロダクション事業部では、メンバーそれぞれが仕事をする上で大切にしていることや、現場で培ってきた考え方を出し合い、それらを「MDイズム」として言葉にしています。
これは、「この通りに行動しなさい」というマニュアルをつくるためではありません。「こういうときはこうする」を全部覚えるのではなく、「なぜそうするのか」が分かっていれば、初めて遭遇する状況でも自分で考えられる。そのためのものだと思っています。
ただ、ここでもやっぱり同じことが言えます。「MDではこう考える」と「これが正解」は違う。MONSTER DIVEには、長く仕事をする中で培ってきた考え方があります。でも、それが世の中の仕事における唯一の正解なわけではありません。MDイズムも、全員を同じタイプの人間にするためのものではない。「私たちは、こういうことを大切にして仕事をしています」を、ちゃんと言葉にしたものです。
今までみたいに「そのうち分かるよ」「現場にいれば分かるよ」ではなく、まず自分たちが何を大切にしているのかを知る。そして、新しく入った人にもちゃんと伝える。その上で、それぞれ違う人たちが一緒に仕事をしていく。そう考えるとMDイズムは、みんなを同じにするためのルールではなく、違う人たちが一緒に働くための共通言語なのかもしれません。
会社の価値観が絶対的な正解ではないように、「人に好かれる人になりなさい」も正解ではありません。一人で黙々と、とんでもなくいい仕事をする人だっている。誰とでもすぐ仲良くなれることだけが、仕事の能力でもありません。
それでも。20年以上仕事をしてきて、自分が仕事をする側も、人に仕事を任せる側も経験した今、私はやっぱり思います。
人に好かれる力は、仕事をする上でかなり強い武器です。
人に興味を持つ。分からなければ教えてもらう。助けてもらったら、ちゃんと感謝する。そして、自分も誰かが困っていたら助ける。そんな小さなやり取りの積み重ねが、「あの人とまた仕事したい」につながる。仕事って、結局は人と人です。
......と、ここまで偉そうに書いてきましたが、もちろん私自身も完璧ではありません。
マネージャーになったからといって、急に人間が完成するわけでもない。言い方を間違えることもあるし、あとになって「あれは違ったな」と思うこともあります。そして気づけば最近は、私の方が若いメンバーたちに上手に転がされている気もします。うちのメンバーはみんな素直で、困ったときにはちゃんと頼ってくれる。親子くらい年が離れているメンバーもいるのに、私と一緒になって楽しんでくれる。そうされると、こっちもついつい「しゃーないな」と手を貸したくなるし、一緒になって楽しんでしまう。
......なるほど。
これが愛嬌か。
「ジジ転がしは出世する」なんて言っていましたが、気づけば私も完全に転がされる側です。まあ、ジジではないのでそこは断固否定しますが(笑)。上司が部下を育てるだけじゃなく、部下から教えられることもある。助ける側のつもりが、助けられていることもある。私もまだまだ完璧ではないし、たぶんこれからも、若いメンバーたちと一緒に変わっていくんだと思います。それでも今のところ、私の持論は変わりません。
愛想より愛嬌。
ギャル最強。
そして、「ジジ転がし」は出世する。
......私が転がされているんだから、たぶん間違ってない(笑)。
※写真はイメージです。