本文へジャンプ

WEBディレクターが知っておきたい!
2026年個人情報保護法改正とWEBサイトへの影響

Posted by MAT
「MONSTER REPORT」先輩モンスターたちが、仕事・就活・カルチャーについてリアルに綴るコラム

こんにちは。メンバーが増えたこともあり、ブログ担当も9カ月ぶりの更新となりました。
MATです。

今回のテーマは【個人情報】です。

WEBサイトの制作や運用に関わっていると、「個人情報」という言葉を目にする機会は多いのではないでしょうか。

お問い合わせフォームや会員登録はもちろん、アクセス解析、広告配信、外部サービスとのデータ連携など、WEBサイトではさまざまなユーザーデータを取り扱っています。

個人情報保護法は、技術の進展や社会環境の変化を踏まえて、いわゆる「3年ごと見直し」が行われています。
今回の見直しを経て、2026年7月10日に「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律」が成立し、7月17日に公布されました。
個人情報保護委員会では、現在も政令・規則・ガイドライン等の整備が進められている段階です。

「法律の改正は法務や情報セキュリティの担当者が考えることでは?」と思われるかもしれません。
しかし、WEB制作の現場でも、フォームの設計や外部サービスとのデータ連携、アクセス解析タグの設定など、個人情報の取り扱いに関わる場面が数多くあります。

今回は、2026年の改正内容をWEBディレクター/PMの視点から眺めながら、WEB制作・運用の現場でどのようなことを意識しておくとよいのかを分かりやすく整理してみます。

20260911_001.png ※本記事は2026年9月時点で公表されている情報をもとにしています。今後、政令・規則・ガイドライン等の整備によって、具体的な運用や解釈が変更される可能性があります。

1. なぜ今、WEBディレクターが知っておくべきなのか?

WEBサイトの構築やリニューアルの際、クライアントから「個人情報保護法の改正に対応したい」と相談されるケースがあります。

また、法改正そのものが直接のきっかけでなくても、サイトのリニューアルを機に、次のようなことが起こります。

  • お問い合わせフォームを変更
  • 会員情報の管理方法を変更
  • アクセス解析ツールを見直し
  • 広告・マーケティングツールの導入
  • 外部SaaS(チャットボット・CRM等)との連携

こうした変更では、あらかじめ次の「4つの基本ポイント」を整理しておくことが大切です。

  • どんな情報を取得するのか
  • 何のために利用するのか
  • どこに保存されるのか
  • 外部に送信・共有されるのか

要件定義の終盤や開発フェーズに入ってから「このデータの扱い、法的に大丈夫だっけ?」と確認事項が出てくると、大幅な仕様変更や手戻り(追加コスト・スケジュール遅延)につながってしまいます。
そのため、ディレクター/PMとして、プロジェクトの早い段階から個人情報の取り扱いを意識しておくと、スムーズな進行につながります。

2. 2026年改正で押さえておきたい3つのポイント

20260911_002.jpeg

今回の改正にはさまざまな内容が含まれています。ここでは、特にWEB制作・運用に関わりそうなものを中心に見ていきます。

① 個人データ等の利活用に関するルールの見直し

今回の改正では、統計情報等の作成を目的とする場合などについて、個人データ等の第三者提供や、公開されている要配慮個人情報の取得に関するルールが見直されます。(背景にはAI開発などデータ利活用の急拡大があります。)

WEBサイトの表示を直接改修するわけではありませんが、今後、「WEBサイト・CMS・CRM・外部DB間でデータをどう連携させるか」という設計において大きく関係してきます。
WEBディレクターとしても、「このデータはどこから取得され、どこで利用されるのか」というデータの流れ(データフロー)を意識しておく必要があります。

② 「不適正利用」や「不正取得」などに対する規律の強化

個人情報そのものだけでなく、特定個人へのアプローチを可能にする情報についての不適正な利用・不正取得を禁止する規定が設けられます。
また、重大な違反行為に対する課徴金制度の導入など、罰則も強化されます。

WEBディレクターが法的な判断そのものをする必要はありませんが、「個人情報を扱う仕組み」を設計する立場として、システムの安全性やデータの流れを把握しておく責任が高まります。
フォームや会員システム、外部SaaS、API連携などを扱う際は、その仕組みの中でどのように情報が取り扱われているかを意識しておくことが重要です。

特に以下の点は、プロジェクトの早い段階で確認しておきたいポイントです。

  • どの情報を取得しているのか
  • どこに保存されているのか
  • 誰が利用するのか
  • 外部サービスへ送信されるのか
  • どのくらいの期間保存するのか

③ 本人による利用停止等の請求に関する見直し

今回の改正では、16歳未満の本人に関する規定や、顔特徴データ等に関する規定など、ユーザー本人による『利用停止・削除請求』のルールが見直されます。

会員サイトやECサイトでは、WEBサイト上だけでなく、CMS・CRM・基幹システムなど複数のDBに顧客情報が存在することが多々あります。
そのため、サイトの設計時には、「ユーザーから情報の削除や利用停止を求められた場合、どのように対応するのか」という視点や運用フローを考慮しておくことが重要です。

3. Cookieやアクセス解析についても、あらためて確認してみよう

「今回の法改正でCookieのルールが大きく変わるの?」と質問されることがありますが、少し注意が必要です。
Cookie・アクセス解析・広告タグ・識別子などの取り扱いは、今回の改正に限らず、以前から個人情報保護法や電気通信事業法(外部送信規律)と深く関係しているテーマです。

WEBサイトのリニューアルでは、タグを追加・変更したり、新ツールを導入したりすることがあります。
そんなときには、ぜひ次のチェックを行ってみてください。

  • このタグを追加すると、どのような情報が取得されるか
  • 取得した情報は、どこの国の・どの事業者へ送信されるか
  • 現在サイトに掲載しているプライバシーポリシーの内容や「外部送信に関する公表事項」の内容と一致しているか

法改正対応としてだけでなく、サイト全体の健全性を保つ意味でも、定期的にタグやデータの流れを整理する良い機会になります。

4. WEBディレクター・PMが実践したい「現場の4ステップ」

実際のプロジェクトでは、次のような手順で「データの流れ」を整理・確認していくのがおすすめです。

STEP 1:データを取得する場所を洗い出す

まずは、WEBサイト上でどのような情報を取得しているのかを確認します。

  • フォーム(問い合わせ・資料請求・会員登録)、Cookie・解析タグ、チャットボットなど

STEP 2:取得した情報の行き先を確認する

次に、その情報がどこへ送られるのかを確認します。

  • WEBサーバー、CMS、CRM、MAツール、メール配信サービス、外部SaaSなど

STEP 3:プライバシーポリシー等との整合性を確認する

サイト上に掲載されているプライバシーポリシーと、実際のデータ取得・利用方法が一致しているかを確認します。

  • 実際のデータの動きと、サイト上の規約・ポリシーの記載内容がズレていないか

STEP 4:必要に応じて専門部署・専門家へ確認・エスカレーションする

ここで一番大切なのは、「ディレクターだけで法律の判断を抱え込まないこと」です。

  • クライアント側の法務・情報セキュリティ担当者へ早めに確認を依頼する

5. まとめ:まずは「データの流れ」を把握するところから

2026年7月に成立・公布された改正個人情報保護法。データ利活用の推進から不適正利用への対応、罰則強化まで、さまざまな変化が盛り込まれています。

現段階(2026年9月)では政令やガイドラインの策定が進んでいる最中ですので、焦って一律にシステム改修を行うというよりも、まずは自分たちが関わっているWEBサイトの「情報の流れ」を棚卸ししてみることから始めてみましょう。

  • 「このフォームではどんな情報を取得している?」
  • 「このタグはどこにデータを送っている?」
  • 「この外部SaaSとの連携仕様は安全?」

こうしたちょっとした疑問をプロジェクトの初期段階で投げかけられるディレクターがいれば、プロジェクトの安全性とクオリティは格段に上がります。

法改正をきっかけに、ぜひ担当サイトの「情報の流れ」を見直してみてください!

20260911_003.jpeg

参考
個人情報保護委員会【令和8年 改正個人情報保護法について
※改正法の条文、新旧対照表、概要、政令・規則・ガイドライン等の整備状況が掲載されています。


「自社サイトの情報の流れってどうなっていたっけ?」「どこから手を付ければいいかわからない...」などでお悩みの際は、ぜひMONSTER DIVEにご相談ください。最新のトレンドや法令・ガイドラインを踏まえ、最適なWEBサイトの構築・運用をご提案いたします。

「MONSTER REPORT」先輩モンスターたちが、仕事・就活・カルチャーについてリアルに綴るコラム
Recent Entries
MD EVENT REPORT
What's Hot?