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AIが進化しても、デザイナーにしかできないこと

Posted by USY

usy_blog_1.png ここ一年でAIはデザインの現場に急速に浸透し、話題になっていますよね。
最近は、このMDブログもAIの記事でいっぱいになっていますw
もちろんWebデザイン界隈もAIの話題でいっぱいです。
FigmaにAI機能が搭載され、ChatGPTやなんやらでサイト案が一瞬で生成できる時代で、
「AIがあれば、もうデザイナーはいらないのでは?」という声すら聞かれるようになりましたが...。
しかし、実際のデザイン現場で働いていると、AIは確かに「速い」けれど、まだまだ全てを任せられるわけではないと感じませんか?
本ブログでは、デザイナー(私)がAIを制作現場に導入して、人間(デザイナー)にしかできないと感じた仕事についてまとめたいと思います。

意図をデザインする

デザイナーは、クライアントから「もっとスタイリッシュに」「明るい感じで」と言われたとき、
その言葉に含まれる「意図」を探り、表現することがデザイナーの仕事だと考えています。
たとえば「スタイリッシュにしたい」の背景には、「信頼感を出したい」「採用を強化したい」「若い層に響かせたい」など、さまざまな意図が隠れています。
AIは与えられた指示どおりに見た目を整えることはできますが、その言葉の裏にある文脈や感情を読み取ることはできません。
デザイナーは、相手の表情や声のトーンから意図を感じ取り、「本当に必要なデザイン」へと導くことができます。

体験設計(UX)

ユーザー体験(UX)を考えるとき、デザイナーは「どうすれば迷わずに目的を達成できるか」だけでなく、
「どんな気持ちでこのサイトを使っているか」まで想像します。
たとえば、病院のサイトを訪れるユーザーは不安を抱えています。
その気持ちを和らげるために、色味や言葉、写真の雰囲気を慎重に選ぶ。
これが世界観であり、共感から生まれるデザインかと思います。
AIは過去のデータから「多くの人が好む構成」を提案できます。
しかし、「この人はきっと今、少し緊張してるかもしれない」という感情まではわかりませんので、
デザイナーがUXを「体験」として成立させるには、リアルな感情を理解し、そこを表現する視点が欠かせません。

翻訳して表現する力

デザインには、その土地や文化が反映されていきます。
たとえば、「間」や「余白」などは単なるレイアウトの空白ではなく、世界観の演出でもあります。
AIに「和風で上品なデザイン」と指示しても、生成されるのは海外の「Japanese風」なもので、
余白などを考慮した、本当の日本的なデザインまでは表現が難しいと感じています。
デザイナーは、文化・時代・価値観を理解し、ブランドが持つ世界観を「翻訳」してデザインに落とし込みます。
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対話から生まれるデザイン

良いデザインは、ひとりのデザイナーから生まれるものではなく、
クライアント、エンジニア、マーケター、コピーライターなど、さまざまな人が関わり、意見を交わしながら形になります。
その中でデザイナーは、ビジュアルを整えるだけでなく、会話をまとめて、形にする存在だと思います。
曖昧なアイデアを整理し、関係者の考えを引き出し、みんなが同じ方向を向かせるのことはAIにはできません。
AIはあくまでツールなので、
人と人をつなぎ、チーム全体を動かすのは、デザイナーとしてのコミュニケーション力ですよね。

AIを味方に

ここまで「AIにできないこと」を語ってきましたが、
もちろん、AIはまだこれができないなどと排除する必要はまったくありませんし、
むしろ、AIを活用できるデザイナーこそが強い時代になってきたかと思います。
AIは、アイデアの初期案づくりやパターン出し、資料作成など、
「時間のかかる部分」を圧倒的に効率化してくれますので、
デザイナーはより多くの時間をデザイン作業に使えるようになります。
今後もAIがもっと進化し、デザインを作れるようになったとしても、
深くユーザーを考えたデザインを作れるのは、まだ人間だけではないでしょうか?
それは、私たちがユーザーの気持ちを理解し、ユーザーのために作るという意識を持っているから。
AIの進化が加速する今こそ、人間(デザイナー)にしかできない体験をデザインに落とし込むことが、
最高のスキルになるのかもしれませんね。

...そう今はね。 usy_blog_3.png

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