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ついにiMac Proがやってきた!
が、本当にiMac Proは速いのか?〜動画エンコード比較〜

Posted by MONSTER DIVE

おかげさまでイベント中継・番組制作等、様々なお仕事をさせて頂いております。

MONSTER DIVEではWeb上に公開される映像制作が多いので、収録データを扱いやすいように圧縮・エンコードする作業が多く発生しています。

このエンコードという作業、なかなか厄介でして、なんと言ってもまず時間がかかります。収録時間が長ければ、それに応じてエンコード時間もさらに延びてきます。

また、どこか一部分でも修正箇所があれば、最初からエンコードをやり直さなければいけないということもあり、慎重な作業が要求されます。

そこで、LIVEプロダクション事業部ではiMac 5KやMac Proなど、エンコードを早くするためスペックを重視した編集機を導入してきましたが、ついにiMac Proも導入に至りました! しかも2台!

今回は、そんなiMac Proの性能を図るべく、今まで活躍してきたMacたちとエンコードの時間を比べてみました!

条件設定|実験条件

エントリーNo.1: iMac(Retina 5K, 27-inch, Late 2014)

エントリーNo.1: iMac(Retina 5K, 27-inch, Late 2014)

エントリーNo.2: Mac Pro(Late 2013)

エントリーNo.2: Mac Pro(Late 2013) ※リリース時にはゴミ箱とイジられたものでした

  • プロセッサ:3GHz 8-Core Intel Xeon E5(8コア16スレッド)
  • メモリ:64GB 1866MHz DDR3
  • グラフィクス:AMD FirePro D700 6144MB(2048のプロセッサ, 3.5フロップス)
  • OS: macOS Sierra(ver. 10.12.6)
  • https://support.apple.com/kb/SP697?locale=ja_JP

エントリーNo.3: iMac Pro(2017)

エントリーNo.3: iMac Pro(2017)

※黒がかっこいいですね!

  • プロセッサ:3GHz Intel Xeon W(10コア20スレッド!)
  • メモリ:128GB 2666MHz DDR4
  • グラフィクス:Radeon Pro Vega 64 16368MB(4096のプロセッサ, 11フロップス)
  • OS: macOS High Sierra(ver. 10.13.4)
  • https://support.apple.com/kb/SP771?locale=ja_JP

統制条件

  • 編集・エンコードソフトウェア:Adobe Premiere Pro CC(ver. 12.1.1 build10)
  • ハードドライブ:SSD SanDisk UltraⅡモデル 480GB+USB3.1アダプタ CROSU31S
  • 素材データ:ProResにて収録したデータを30分間イン・アウト指定して書き出す
  • 書き出し設定:video/H.264(mp4) 1080p 29.97fps 10Mbps(CBR), audio/128Mbps 44.1kHz

条件設定解説

  • エンコードソフトウェアは実験時に最新のAdobe PremierePro CCを使用しています。
    iMac Proがリリースされた当時には最適化がされていなかったため、iMac Proが威力を発揮できていない、というようなデータもありましたが、MDでは主にPremiereProを使用しているのでこちらで検証しています。
  • 収録時に使用するSSDを直接エンコードの素材にすることが多いため、今回はUSB3.1接続の外部SSDを読み込み元に設定しました。
    また、書き出し先の条件を揃えるため、そのまま外部接続のSSDに書き出しを行いました。
  • エンコードの書き出し設定はMDで最も書き出す頻度が高いものに設定しました。

実験前の予測

  • PremiereProは編集時にGPUをレンダラーに設定することが出来ますが、 エンコード時にはソフトウェアレンダラーにて処理されるので、結果はGPUよりもCPUの性能差に依存するはず。
    MacProとiMacProのグラフィクス性能の差は、エンコード時間の結果にそこまで影響しないはず。
  • PremierePro側のマルチスレッディングの最適化が進んでいれば、Mac ProとiMacProとの差が出るが、最適化が進んでいなければ、あまり差は出ないはず。
  • CPUのコアそれぞれにMaxの負荷はかからないと予測されるので、単純にスレッド数が多いほどエンコードの時間は短くなるはず。
    マルチスレッディングの最適化が進んでいれば、それぞれのコア数に反比例した時間がかかるはず。
    →iMac5kに対して、MacProは50%の時間で済む。
    →iMac5kに対して、iMacProは40%の時間で済む。
    →Mac Proに対して、iMacProは80%の時間で済む。

実験結果

30分間のMP4データのエンコードにかかった時間

  • iMac5k: 21分41秒22(1301秒)
  • MacPro: 15分26秒28(928秒)
  • iMacPro: 11分20秒28(680秒)

以上のような結果になりました。

ざっくりとした見方をすると、素材データ(を100とする)に対して

  • iMac5kは3分の2、
  • Mac Proは2分の1、
  • iMac Proは3分の1

程度の時間でエンコードをすることが出来ました。

考察

実験前の予測に反して、

  • iMac5kに対して、Mac Proは71%の時間で済む。
  • iMac5kに対して、iMac Proは52%の時間で済む。
  • Mac Proに対して、iMac Proは73%の時間で済む。

という比較になりました。

思ったよりもMac ProとiMac Proの結果は伸びませんでしたが、やはりiMac Proのエンコードはやはり脅威的なスピードでした!

マルチスレッディングの最適化はまだ完璧ではないのかもしれませんが、それでも充分にエンコード機としては性能を発揮していると思います。

また、単純にエンコードだけで比較するとこのような結果になりましたが、編集機として見るとiMac ProはiMac5kとMac Proに大きく水をあけています。

というのも、なかなかベンチマークで表しにくい部分なのですが、Premiere Proはファイルを読み込んだ際に、音声データのピークファイルを作成したり、プレビュー映像をレンダリングしたりするのですが、そちらの処理は圧倒的にiMac Proの方が早いです。

プレビュー映像のレンダリングにはGPUを使用することが出来るので、Mac Proの3倍近い性能のGPUのパワーが発揮されているのでしょう。

というわけで、iMac Proは本当に早かった!

これでLIVEプロダクション事業部の仕事も捗ります!

ちなみに今回、当社にて番組制作しているコチラの番組の収録データを実験用のデータとして使用させて頂きました! ぜひご覧くださいませ!(さりげなく宣伝。w)

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