こんにちは! LIVEプロダクション事業部のAKIです。
今回は、先日都内で開催された某イベントで、初めてカメラスイッチャーを担当した経験について書きたいと思います。
この貴重な挑戦が、今後のキャリア、特に今最も注力しているカメラ(CAM)業務に対する意識について改めて考えるきっかけとなりました。
前々から将来的にスイッチャー(SW)業務に携わりたいという希望は伝えていましたが、MDの配信現場では、SWがカメラのスイッチングだけでなく、テロップ出しやVTR出しなど兼務することが多く、なかなか最初の一歩を踏み出すチャンスがありませんでした。
そんな中、今回、3CAMのスイッチングということで、現場を会社から任せてもらう形で、SWを担当することができました。

今回のイベントは、トークセッションが中心でした。
会場には200インチのLEDモニターがあり、そこの上手下手にカメラ画が表示されるというシステム。
最大4名でのトークセッションは、技術的な難しさと、現場の熱量が生む即応性の重要性を痛感した時間でした。
下手MCと上手ゲスト3名の構成で、ゲスト同士の掛け合いが頻繁に発生し、トークが盛り上がるたびに、非常に忙しいスイッチングとなりました。
瞬間的に求められる「判断力」:
SWの操作自体はできても、「どのくらいの間、誰のリアクションを見せるべきか」という部分で難しさに直面しました。
SWのタイミング:
話し手だけでなく、聞き手の良いリアクションを一瞬で察知し、カメラにその画を要求する。そして、すぐに切り替える。頭で思っていても、それを瞬時に言葉にして指示を出すことの難しさを体感しました。
ヌキの長さ:
リアクション画を長く見せすぎるとトークの流れが間延びしてしまう。当たり前のように見ているプロのスイッチャーでも、この「間」の取り方一つが非常に難しいことを体感しました。
なんとか、現場のチームメンバー(TETさん、DSKさんなど)のサポートを受けながら乗り切ることができましたが、一瞬の迷いや遅れが、来場者/視聴者がコンテンツから受け取る熱量に大きな影響を与えるんだなと体感しました。

今回の経験で得た大きな点は、「スイッチャーの視点」が自身のカメラ業務への意識を根本から変えたということです。
私は今、スイッチャー業務への挑戦を進めつつも、より深くカメラ業務の技術を磨くことに重きを置いています。
その中で、今回スイッチングする側に立ったことで、今までどこかモヤモヤしていた、また見えていなかった壁が明確になりました。
今まで私は、カメラは最終的にSWから指示が出てから、カメラを動かしてサイズを調整するものだと、どこか無意識に考えていました。しかし、SWの立場で感じたのは以下の点です。
指示待ちの画では遅い:
正確にはSWが指示を出してからCAMが動くのでは、盛り上がりの瞬間や、ゲストの感動的な表情といった「見せたい一瞬」を見失ってしまいます。
CAMは「予測」して動くべき:
SWが指示を出す前に、CAM側がトークの流れや会場の雰囲気を汲み取って画を先行して取りに行くからこそ、最高に見せれる瞬間が生まれる。全てがというわけではないですが、そういうタイミングもあると感じました。
この気づきから、今後のカメラ業務において、「何を見せたいか」、「視聴者は何をその瞬間見たいのか」を一瞬で察知・読み取り、答えを出す能力をより深く身につけることが、自分の最も大きな課題だと確信しました。
今回のイベントスイッチャー体験は、技術的な難しさだけでなく、プロの仕事の奥深さ、そして自身のキャリアにおける課題を明確にしてくれました。
MDの良いところは、「これやってみたい!」と声を上げたら、大小さまざまチャンスをもらえるカルチャーがあることです。
そして、現場で得た経験は、ささいなことでも必ず日々の仕事にしっかりフィードバックされて、自分の成長に繋がると思います。
このスイッチャー経験を活かし、私は今後、カメラ業務はもちろん、スイッチャー業務も含めた映像・配信領域の課題に対して「最も効果的な答え」を出せるよう、幅広いスキルと知識を身につけた人になれるよう、もっともっと頑張っていきたいと思います。